2022年6月30日 (木)
■歯の詰め物・被せ物が取れた場合の原因と対処法を解説
虫歯治療などで装着した詰め物・被せ物には、寿命があります。一見、正常に見えても長く使っていく中で取れることがありますのでご注意ください。今回はそんな歯の詰め物・被せ物が取れた場合の対処法を原因とともに詳しく解説します。
▼詰め物・被せ物の寿命はどのくらい?
詰め物・被せ物の寿命は、使用する素材や患者様ご自身のケア方法によって大きく変わります。保険診療で作る詰め物・被せ物は、一般的に4~5年で寿命を迎えることが多いです。経年的な摩耗や変質が起こりやすいレジンの詰め物・被せ物は、もう少し短い期間で寿命を迎えやすいです。一方、自費診療で使用することのできるセラミックは比較的寿命が長く、10年程度持つことも珍しくありません。いずれにせよ、適切なケアを継続していても、20年、30年と使い続けることはなかなか難しいといえます。
▼詰め物・被せ物が取れる原因
◎虫歯が再発した
詰め物・被せ物が取れる主な原因は、虫歯の再発です。詰め物・被せ物に使用した材料そのものの寿命を迎えたわけではなく、歯質が虫歯菌によって溶かされることで適合性が悪くなります。ですから、治療からそれほど期間が経過していなくても詰め物・被せ物が取れることも多いです。
◎セメントなどの劣化
詰め物・被せ物は、歯質と結合させているセメントや接着剤の劣化によって取れることがあります。こうした現象は、保険診療の銀歯やレジン歯に比較的多いです。自費診療のセラミックは特別なセメントを使い、歯質と密に結合させることから、セメントの劣化も起こりにくくなっているのです。
◎外傷による衝撃
外から強い力を受けることでも詰め物・被せ物は外れます。最もわかりやすいのは転倒による顔面への外傷ですね。その他、歯ぎしり・食いしばりといった悪習癖があることでも詰め物・被せ物に強い力が加わって外れることもあります。
▼詰め物・被せ物が取れた場合の対処法
◎すぐに歯医者へ連絡
詰め物・被せ物が取れた場合は、すぐに歯医者へ連絡しましょう。修復物が取れた歯は、傷口がむき出しになっている状態です。そのまま放置すると細菌に感染してより深刻な事態を招きます。また、詰め物・被せ物が取れた歯はちょっとした刺激で割れたり欠けたりする状態でもある点にご注意ください。
◎取れた詰め物・被せ物は持参する方が良い
取れた詰め物・被せ物は、受診する際に持参しましょう。そのまま元に戻せることは稀ですが、治療を進める上で重要な情報となります。詰め物・被せ物が取れた原因を突き止める上でも有用ですので、捨てずに保管しておいてください。その後は、詰め物・被せ物が取れた原因に応じて最善といえる治療を進めていきます。虫歯が再発していれば歯を削り、詰め物・被せ物を新たに作ります。
▼まとめ
このように、詰め物・被せ物が取れる原因はケースバイケースですが、何らかの異常が生じていることに変わりはありません。詰め物・被せ物が外れた時点で、できる限り早く歯医者に連絡するようにしてください。
カテゴリー: 補綴